「日本に長く住んでいます。早く永住許可の申請をしたいです。」
最近、このような相談を受けました。
永住許可は、日本で長く生活したい人にとって、大きな目標です。
できるだけ早く申請したい、と考えるのは自然なことです。
しかし、お話を聞いて確認した結果、「今はすぐに申請しないで、もう少し準備をしてから申請したほうがよい」という結論になりました。
この記事では、その相談の中で分かった「申請する前に確認したい5つのこと」を紹介します。
助手にゃん子あなたにも当てはまることがあるかもしれません。


1. 税金や年金・健康保険料は「期限までに」払っていますか
永住許可の審査では、税金や年金保険料、健康保険料をきちんと払っているかを確認します。
ここで大切なのは、「全部払ったかどうか」だけではありません。
「決められた期限までに払ったかどうか」も見られます。
例えば、保険料を払うのを忘れていて、あとでまとめて払った場合を考えてみましょう。
今は、払っていないお金はありません。
しかし、「払うのが遅れた」という記録は残ります。
この記録は、審査でマイナスの点として見られることがあります。



ぜんぶ払っていれば大丈夫かな?と思ったけど…
また、会社を辞めたあと、国民健康保険に入る手続きをしていなかった、という人もいます。
「保険に入っていなかったのだから、払っていないことにはならない」と考えるかもしれません。
しかし、日本に住む人は、健康保険に入ることが法律で決められています。
健康保険に入っていなかったこと自体が問題になります。
会社を辞めたときは、住んでいる市区町村の役所で、国民健康保険と国民年金の手続きをしてください。



きちんと払うこと、遅れずに払うこと、両方とも大事です。
2.「あわてて申請」より「準備ができてから申請」する
永住許可の審査には、長い時間がかかります。
そのため、「先に申請しておいて、審査の間に条件がそろったら、あとで書類を追加すればいい」と考える人がいます。
しかし、審査では、申請した時点の状況が大切です。
例えば、保険料などの支払いが遅れたことがある場合は、そのあと遅れずに払った期間が十分にたまってから申請するほうが安心です。
「いつから、遅れずに払っているか」を、自分の領収書や記録で確認しておきましょう。



証明できるよう、領収書はきちんと取っておいてください。
3. 仕事を変えたばかりのときは、少し待つ
永住許可では、「生活が安定していること」がとても大切です。
転職したばかりのときは、新しい会社で給料をきちんともらっていることを示す書類(給与明細など)が、まだ少ししかありません。
新しい仕事で数か月は働いて、毎月きちんと安定した収入があることを、書類で示せるようになってから申請するほうが、安心です。
また、仕事を辞めたときや、新しい会社に入ったときは、14日以内に出入国在留管理庁へ「所属機関の変更届出」をしてください。
この届出は、オンラインでもできます。
<参照>オンラインの届出はこちらから➡出入国在留管理庁電子届出システムポータルサイト
4.副業をしている人は、収入のバランスに注意
仕事のビザで日本にいる人が、本業とは別の仕事(副業)をするときは、「資格外活動許可」が必要です。



ビザによってできる活動が決まっています。
それ以外の仕事をするなら、許可が必要です。
この許可は、本業(今のビザのもとになっている仕事)があることが前提です。
副業の時間や収入が大きくなって、本業と同じくらいになると、今のビザの更新にも影響する可能性があります。



本業と資格外活動、どっちがメインか分からなくなるのはダメなんですね
それから副業の収入は、必ず確定申告をしてください。
また、新しい会社に入るときは、その会社で副業をしてもよいかどうかを会社の人に聞いて、就業規則や雇用契約書でも確認しましょう。
5.届出の忘れや交通違反はありませんか
引っ越しをして住所が変わったときや、仕事を変えたときの届出を忘れていた場合は、遅れても必ず出してください。
出さないままにしないことが大切です。
交通違反は、一度の軽い違反で、すぐに不許可になるとは限りません。
しかし、何度もくり返すと、マイナスの点として見られることがあります。



安全運転に気を配るのは当然ですね!
永住許可のルールは変わってきています


2026年10月に、永住許可のガイドライン(審査の考え方)が改定されました。
改定の内容については、こちらの記事でも紹介しています。
新しいガイドラインでは、収入をこれまでより詳しく見ます。
必要な収入の水準は、家族の人数や、一緒に生活している家族の収入など、いろいろなことによって変わります。
「年収がいくらあれば必ず大丈夫」という、決まった金額があるわけではありません。
永住許可で何より大切なのは、日本で、安定して、自分の力で生活していけることです。
そして、そのことを、給与明細や、税金・保険料の書類などで、きちんと示せることが必要です。
また、永住許可の申請では、今持っているビザの期間が「最長の期間」であることも、条件の一つです。
これまでは、期間が「3年」のビザでも、最長の期間として扱われてきました。
しかし、2027年4月からは、この扱いが変わります。
ガイドラインには、そのビザの期限までに審査の結果が出ることも、条件として書かれています。
永住許可の審査には、1年以上かかることもあります。
また、仕事を変えると、次の更新でビザの期間が短くなるかもしれません。



次の更新で「5年」がもらえなかったら、もうダメなんですか?
「審査の途中でビザの期限が来て、更新で『5年』が出なかったら、どうなるのだろう」と心配になる人もいると思います。
そのため、「ルールが変わる前に」「ビザの期間が短くなる前に」、早く申請したいと考える人も多いでしょう。
その気持ちはよく分かります。
ビザの期間のことは、もちろん大切です。ですが、こう考えて下さい。
もし、準備ができていないまま申請して不許可になると、次に申請するときに、前回の理由をふまえて、より丁寧に準備しなければなりません。
急ぐことが、かえって遠回りになることもあります。



日本では「急がば回れ(いそがばまわれ)」って言うわね



あわてずに、しっかり準備をしていきましょう
相談で分かったこと
今回の相談では、申請の手続きまでは進みませんでした。
それでも、相談者は「いつ」「何を準備して」申請すればよいかが分かりました。
「今は申請しないほうがいい」と分かることも、相談の大切な役割だと、私は考えています。
税金や保険料を期限までに払うこと。
安定した仕事と収入を続けること。
そして、自分の力で生活できていることを、書類で示せるようにすること。
遠回りに見えても、それが、永住許可へのいちばんの近道です。
行政書士わかぞの事務所では、永住許可の申請について、「申請する前のご相談」も承っています。
「自分は今、申請してもいいのかな?」と迷ったときは、お気軽にお問い合わせください。


永住許可の申請、何から始めればいいか分からず不安ではありませんか?
行政書士わかぞの事務所では、各種在留諸申請・ビザのご相談を承っております。
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<免責事項>
この記事は、2026年10月時点の情報をもとに書いています。制度やガイドラインは、変わることがあります。
在留の許可・不許可は、出入国在留管理庁が一人ひとりの状況を見て判断します。
この記事の内容で、必ず許可が出る、または出ない、ということではありません。
実際に申請するときは、出入国在留管理庁の最新の情報を確認するか、専門家にご相談ください。









