「士」と名のつく仕事は社会に数多く存在しています。「介護士」「弁護士」「作業療法士」「建築士」…多くはその仕事内容が大まかにでも思い浮かぶのではないでしょうか。
では「行政書士」は?
名前は聞いたことがあるけれど、実際は何をしてるの?どんな仕事をする人なの?よく分からない…とイメージの湧かない方がほとんどでしょう。法律の言葉を借りるとこうなります。
行政書士法第1条の2第1項
「行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類、その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする」
つまり「行政書士」とは「官公署に提出する書類を専門に扱う国家資格者」なのです。
一言で書類作成と言っても、法令に決められた要件、形式を確認し、必要な調査を実施したうえで資料を収集し、条件を満たす形で作成しなければなりません。
そして作成できたなら、それを提出すべき機関に郵送、持参、近年ではオンラインで、と方法はいろいろありますが、提出することになります。
官公署の多くは開いているのが平日のみ、一般の方が、自分の仕事も抱えながら、このような煩雑な作業を乗り越えて書類を作成し、時間を作って提出まで行うのはかなり大変なことだと思われます。
そこで「行政書士」の出番です。行政書士なら、書類の作成、資料の収集、提出の代行までセットでサポートすることが出来ます。
行政書士が作成できる書類の種類
1.官公署に提出する書類
官公署とは、「国や地方公共団体の諸機関(都道府県庁、市区町村役場、保健所、警察署、入国管理局等)」を指します。
おもに事業の許認可を得るための申請手続きに必要な書類を作成することが出来ます。
- 建設業許可申請
- 飲食業許可申請
- 一般貨物自動車運送事業許可申請
- 農地法許可申請
- 産業廃棄物収集運搬業許可申請
- 古物営業許可申請
- 風俗営業許可申請
- 化粧品製造販売業許可申請
- 在留資格変更許可申請
- 医療法人設立認可申請
………上記は具体例の一部です。
そして書類の作成についての相談に応じ、提出する手続きについて代理することができます。
2.権利義務に関する書類
「権利義務に関する書類」とは「権利の発生、存続、変更、消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類」をいいます。(引用:日本行政書士会連合会)
- 遺産分割協議書
- 離婚協議書
- 各種契約書(贈与、売買、交換、消費貸借、賃貸借、使用貸借、請負、委任、寄託、和解…)
- 念書
- 示談書
- 内容証明
- 告訴状、告発状
- 嘆願書、請願書、陳情書
- 始末書
- 上申書
- 定款
………上記のような文書の作成、及び相談に応ずることができます。
3.事実証明に関する書類
「事実証明に関する書類」とは「社会生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書」をいいます。(引用:日本行政書士会連合会)
- 実地調査に基づく各種図面類(位置図、案内図、現況測量図等)
- 各種議事録
- 会計帳簿
- 貸借対照表
- 損益計算書等の財務諸表
- 申述書
………上記のような文書について、作成及び相談に応ずることができます。
行政書士ができないこともある!?
ただ、さまざまな書類の作成ができるとは言っても、行政書士ではできないものが決められています。
紛争性のある事件、裁判に関すること他、裁判所関係→弁護士
(例)遺産分割協議書の作成中、親族間で深刻な意見の食い違いが出てきた場合
登記に関すること他、法務局関係→司法書士
(例)法人設立における商業登記、遺産分割における不動産登記
税務に関すること他、税務署関係→税理士
(例)確定申告の代理、節税など税に関する相談
特許、商標登録に関すること他、特許庁関係→弁理士
雇用、労働、助成金に関すること他、社会保険事務所関係→社会保険労務士
これらのご相談、ご依頼を受けた場合は、しかるべき士業の先生をご紹介することになります。
行政書士に相談すべき具体的なケース
「個人で会社を作ってみたいけど、どんな形が良いのか迷っている」
「仲間とやって来た活動の幅を広げるために法人を作ってみたいけど出来るかな?」
「やりたいビジネスには許可が必要みたい…会社を作って同時にその許可も取りたいけど」
その上で、設立のための手続きやその後に必要となる許認可等の申請もサポートいたします。
「遺言書ってよく聞くようになったけど、あった方がいいのかしら?」
「子供がいないし、何かあったら家や貯金、私の行く末はどうなるのか不安…」
「親が突然亡くなって、相続することになったけど何からやっていいのか分からないな」
生前の備えも、相続発生後のお手続きも、ご相談承ります。先々不安がある方は早めにご相談いただくことで不安を解消して頂きたいですし、ご相続もなるべくすみやかに終わらせる方が肩の荷が下りてスッキリすることでしょう。
「離婚することになったから、話し合った内容を公的に認められる形で残しておきたい」
「交通事故にあって後遺症が残りそう…ちゃんと保険金を支払ってもらえるだろうか…」
「貸したお金がなかなか返ってこないからびしっと催促したいけど、どうしたら良い?」
市民の皆さまが日常の中で「文書」を必要とされる機会はそう多くはないかも知れませんが、それだけ馴染みがないものでしょう。そんな時は迷わずご相談ください。形式・内容ともにしっかりした文書を作成いたします。
「中古車を買ったから名義を変えたいけど平日は仕事で身動きが取れない…」
「ウチの農地の一画に、息子夫婦の家を建てようと思うけど、農地って普通に使えるんだっけ?」
「うちの店で外国人に働いてもらうことになったけど、何か必要なことってあるのかな?」
車の名義書換、車庫証明、農地転用許可、外国人の雇用に関する届出…お手伝いできることはたくさんあります。誰に聞いたら良いか分からないとき、面倒で誰かに頼んでしまいたいとき、自分でやるには時間が足りないとき、まずは行政書士にご相談ください!
まとめ
いかがでしょうか?少しだけでも、行政書士という存在を、身近に感じていただけましたか?
自分で作成するのが大変な書類を作成してもらえる
書類を作成するために必要なことを相談できる
書類の提出まで一貫してお願いできる
これらが行政書士の基本的な業務です。
ですが単に書類を作って出して終わり、ではありません。
依頼者さまの人生が順調に進んでいくこと、不安を解消して前向きな日常を過ごせること、未来へひとつの明るい灯りをともせること、それを最終的な目標として、ひとつひとつの手続きをお手伝いさせていただくのが行政書士の役割だと思っています。
どうぞ、皆さまの抱える悩みや課題を、ご相談ください。
親身になって一緒に考え、解決に向けてとことん知恵を絞り、プロとしてできる最大限の支援を提供いたします!
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行政書士わかぞの事務所