会社をつくるというと大勢が集まって、出資を募って…というイメージですが、自分一人でも会社はつくれます。
ここでは、どうやって一人で株式会社を作ったらいいのか?
「発起設立」というやり方について、具体的な流れを解説いたします。
1.株式会社の設立には方法がふたつある!
株式会社を作るには方法が二つあり、ひとつは「発起設立」と呼ばれるもの。もうひとつは「募集設立」と呼ばれるものです。
「発起設立」は会社を作ろう!と思い立った発起人(一人でも複数人でも)が全て株式を引き受けるやり方です。
対して「募集設立」は発起人以外に、設立時発行株式を引き受けてくれる人を募集して、ともに株主となり会社を設立するやり方です。こちらは当然、外部の人を出資という形で巻き込む訳ですから、決まり事も多くなっており、また設立後も創立総会の招集、株主による議決権行使…など、発起人と言えどもなかなか会社を自由に動かすとは行かない場面も出てきます。
ここでは新たに会社を始めよう、個人でやって来たけれど会社組織にして規模を拡大してみよう、法人化して節税等のメリットを受けられるようにしよう…という方にとって、よりハードルの低い「発起設立」を念頭に置いて解説いたします。
2.発起設立の流れ
定款とは聞きなれない言葉かもしれませんが、本当に簡単に言ってしまうと「設立しようとする会社の活動や組織に関する規則」であり「それが記された書面」と言うことです。
「誰が、何のために、どこに設立して、そのためにどのくらいの資本を準備して、それはどんな風に準備されたもので、会社の経営にあたってはこんな方法で運営して行きます。」
こんな内容をあらかじめ決めて書面に落とし込み、発起人全員が署名又は記名押印します。
そして公証役場で定款の認証を受けたのち、その定款は法的に効力を有するようになります。
この定款に記載する内容には決まりがあり、それを欠くと定款として認められず、会社の設立ができない、ということもありえます。ですので形式・内容ともに、専門家に相談しながら作成していかれると良いですね。
発起人は、株主を確定させるため、設立時発行株式に関する事項及び株主となる者を決定します。
ここで「誰が、どのくらい、いくら出資して」設立時発行株式を引き受けるか決まります。
この「設立時発行株式に関する事項」については、はじめに定款に定めておくべき事項と、発起人の多数決、もしくは発起人全員の同意で決定することができる事項があります。
発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、引き受けた株式につき全額の払込み、又は金銭以外の財産の全部を給付しなければなりません。
これは「出資した限度において株主は間接有限責任を負う」ことを担保するためであり、また発起人の不正、怠慢などによる払込金の散逸を防ぐため、銀行・信託銀行など払込取扱期間の払込取扱場所において行わなければならないと決められています。
定款に「現物出資」を定めた場合は、いくつかの条件に該当し調査不要の場合を除いて、検査役の調査を受けなくてはなりません。この検査役は発起人が裁判所に申し立てて選任してもらうことになります。
「現物出資」以外にも調査が必要な事項が定款で定められている場合は、定款の認証後、速やかに裁判所へ検査役選任の申立てを行う必要があります。
出資を履行することにより、株主が確定しました!
会社の設立時役員等とは、設立時取締役(会計参与、監査役、会計監査人)のことです。
発起人は出資の履行が完了したのち、遅滞なく、設立時役員等を選任しなければなりませんが、この選任方法については、発起人の議決権の過半数で決められることになっています。
なお、定款で設立時役員等として定められていた者は、出資の履行が完了した時点でそれぞれ設立時役員等に選任されたものとみなされます。
設立時取締役は、設立に関する事項及び手続きの調査のみを職務として行うので、実際の設立事務に関しては発起人が行います。
ここまでの4つの要件を満たしたのち、設立しようとする株式会社の本店の所在地において、設立の登記をすることによって、株式会社の設立となります!
3.まとめ
会社設立の大まかな流れはお分かりいただけたかと思います。
それぞれの段階で細かな決まり事、やらなくてはならないこと等が多くあり、法令に違反せず、不備不足もなく手続きを行うのは、かなり骨の折れる作業ですね。
こんな時は専門家を頼ってみるのがおすすめです。
会計ソフトやマニュアル本で、定款を作ったりすること自体は簡単に出来るかもしれません。
ですが、本当にご自分の作りたい会社になっているでしょうか?
後から足りなかったこと、やり直しになって時間を余計に浪費するようなことはないでしょうか?
こんな不安や心配は、さっさと専門家に相談して解決しましょう。
一番身近にいる相談相手として、行政書士を頼ってみるのはいかがですか。
書類作成の専門家として、設立に必要な書類を収集し作成するだけではなく、ご希望をお伺いし、お客様の作りたい会社に合った形の定款を作り上げ、その後に必要な手続きに関してもアドバイスをすることができます。
スタートアップの時期は、本業に専念すべきです。ぜひ行政書士にご相談ください!
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行政書士わかぞの事務所