現在、相続した実家が空き家になる問題が深刻化しています。
都市部はもちろん、地方でも、核家族化により、子世代が都市部へ移住し、地方の実家を継ぐ人がいない…という家庭が増えたため、親亡き後「実家が空き家になる」というケースがとても増えているのです。
今回は、相続に関するお悩みごとの中で、この「実家が空き家になる問題」を取り上げ、解説していきます。
まず前編では、空き家になる原因を、後編では、空き家にせずに済む対策を考えてみたいと思います。
なぜ実家は空き家になってしまうのか
親が亡くなった後、実家がそのまま空き家になってしまうケースは少なくありません。
「実家(親の住む家)をどうするか、決めていない」
「(相続した後)とりあえずそのままにしている」
「兄弟でまだ話し合っていない」
…思い当たるご家庭は多いのではないでしょうか?
実家には思い出もあり、簡単に手放す決断ができないものです。
しかし、どうするかという話し合いや決断を先延ばしにしているうちに、空き家になってしまった…こんな現実も珍しくないのです。
実家の相続で空き家になる理由
こうして実家が空き家になる背景には、いくつか共通した理由があります。
①誰も住む人がいない
→子世代はすでに持ち家を持っていたり、別の地域で生活しているため、実家に戻って住むという選択肢がそもそもない場合があります。
相続したものの誰も住まない家になってしまうことがあります。
②相続人の意見がまとまらない
→兄弟姉妹の間で意見が分かれることはよくあります。
・売却したい人
・思い出があるので残したい人
・将来使うかも知れないから置いておきたい人
この意見の食い違いを埋めることができないまま、決められず空き家になるパターンです。
③実家の片付けが大変
→長く住んだ家にはたくさんの家財や思い出の品があります。こうしたものを整理するのは思っている以上に大変です。
「時間があるときに片付けよう」と思っているうちに、何年も経ってしまうことは珍しくありません。
④相続手続が進んでいない
→実家という不動産の相続では、名義変更(相続登記)が必要になります。
しかし、手続きがよく分からないとか、忙しくて後回しにしている…などで手続きが進んでいないケースもあります。
※なお、2024年4月1日より、相続登記が義務化されました。
相続した不動産については、相続したことを知ってから3年以内に名義変更を行わなくてはなりません。
今後は「放ったらかし」にせず、速やかに登記手続きを行う必要があります。
空き家になると起こりがちな問題
実家が空き家になると、さまざまな問題が出てきます。
よく言われるのが、管理不全による近隣トラブル、治安の問題です。
建物の老朽化、草木の繁茂、動物や不審者の住みつき…これらによって引き起こされる問題は深刻で、行政によって「管理不全空き家」や「特定空き家」などに指定されてしまうと、金銭的な負担が生じる可能性もあります。
また、実際に住んでいなくても所有していることで、固定資産税、修繕費、管理費といった費用がかかることもあります。
参考:松戸市HPより
「松戸市空家等対策の推進に関する条例」への改正
実家を空き家にしないために
実家の相続で多いのが「どうするか決まっていない」という状態です。
・誰が相続するのか
・売却するのか
・住む人と住まない人の公平な相続をどうするか
・残すなら誰が管理するのか
こうしたことが決まっていないと、手続き自体が進まずに、実家はそのまま空き家になりやすくなります。
では、どうすれば実家を空き家にせずに済むでしょうか?
大切なのは、
相続が起きてからではなく、元気なうちに家族で話し合っておくことです。
親の住む実家を将来どうするかということについて、親の考え、子世代の状況、兄弟姉妹の意見などを、あらかじめ共有しておくことで、トラブルを減らすことができます。
次回の記事では、実家の相続で空き家になることを防ぐために、家族でどんな話し合いをしておくと良いのか、についてお伝えしたいと思います。
