人が亡くなると、その方が生前持っていた様々なものが残されます。そしてそれら全てをいったんご遺族が引き継ぐことになりますが、単純にモノを受け渡すのとは違い、財産の形によって受け渡しの方法や、関連する法律、決められた手続きが違います。
あちこち電話を掛けたり、グーグル検索をしたり、人に聞いたり…色んな方法で探される方が多いと思いますが、実際、誰に相談したら良いのでしょうか?
最近は、銀行なども相続手続の支援をするところが多いですが、たいていの場合、かなり高額な費用がかかるようです。もちろん信用のおけるサービスだとは思いますが、なかなか普通の方には利用しがたい面があるように思います。
1.相談する相手はこんな人たち
「相続」とまとめて呼ばれるさまざまな手続きには、専門家がそれぞれの段階で関わることになりますが、では、大勢いる専門家のうち、まず誰に相談したら良いのでしょう?
大勢の専門家、とは「士」とつく職業の人たちです。
弁護士、司法書士、税理士、行政書士…悩みますよね。
ここでは各専門家が、どんな風にお手伝いができるのか、ご紹介しますので、ご相談する際の参考になさってみてください。
2.各専門家で得意分野が違う
それぞれの専門家の得意分野、専門分野をご説明します。中にはこの専門家しかできない、という仕事もありますので、その分野の依頼をなさりたい場合は、すぐに相談先が決まるのではないでしょうか?
弁護士
遺産分割ですんなり行くかどうか分からない、揉めそうだ…という場合には弁護士の力を借りることになると思います。
紛争性のある案件には他仕業は携わることが出来ない、と決められており、相続発生から各種調査を他の専門家に依頼していた場合も、分割協議以降は弁護士に引き継ぐことになります。
もちろん相続手続の当初から弁護士に依頼することも出来ますが、報酬費用は高額になることが一般的です。
司法書士
遺産の中に不動産があるという方は多いでしょう。不動産には登記という手続きがあり、相続による登記名義人の変更登記は司法書士しか扱うことが出来ません。
不動産調査から登記まで全て任せることが出来るのが、司法書士に依頼する大きなメリットとなるでしょう。
また相続放棄の手続き、遺産が140万円以下であれば分割協議の調停を行うことも出来ます。
ただ、財産の中に不動産がない、という場合は他の専門家に依頼する方が良いかもしれません。
税理士
文字通り税の専門家である税理士には、相続税の申告が必要な場合に依頼することになります。相続税が発生するかどうかは財産の額や相続人の数によっても変わりますが、申告をすべきかどうかの判断は一般人には難しいものです。税理士に適切な判断をあおぎ、間違いのない申告手続きを行う方が安心です。
節税に関するアドバイスを受けたい場合にも税理士は頼りになる存在です。
遺産の額が大きい、不動産が複数ある…など、上手に節税を行いたい場合は税理士に相談すると良いでしょう。
行政書士
書類作成の専門家、である行政書士にも相続手続を依頼することが出来ます。
相続人の確定から始まり、財産調査・財産目録の作成、(紛争性のない場合)遺産分割協議書の作成、各種財産の名義変更手続きまで行うことが出来ます。
その中で、不動産の登記については司法書士、相続税の申告については税理士、紛争性のある案件であれば弁護士、に繋ぐ役割も担うことが出来るので、ご相談窓口として、ワンストップサービスのような形で行政書士を活用するのが良いと思います。
また自動車関連の手続き、農地を相続した場合の手続きに関しては、行政書士の専門業務となります。
3.まとめ
いかがでしたか?
ご自身の引き継がれる財産の内容、ご家族同士の関係性などを考えあわせて、スムーズに相続手続を行えるよう、最適な専門家に依頼して下さい。
相続手続の目指すゴールは、亡くなった方のご遺志を尊重しつつ、ご家族が納得する形で財産を引き継ぎ、そしてまた次世代へと繋げていけるよう整えることにあると思います。
すべきことが膨大で、何から手を付けてよいか分からない、あれこれ情報を探してみたけれど多すぎて逆に混乱してきた…こんな時は、ぜひ身近にいる行政書士を頼ってみてください。行政書士には職業上の守秘義務がありますので、お気軽にご相談のみでも結構です。
そして頭の整理をして、必要であれば専門家の力を借りて、相続手続をしっかり行いましょう。
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行政書士わかぞの事務所