エンディングノートの活用法~やさしい終活始めましょう~遺言書へのステップアップ

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行政書士わかぞの事務所
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エンディングノートと遺言書って同じものでしょうか?

ここまで、エンディングノートの書き方を少しずつ見てきました。

医療や介護の希望を書いたり、家族関係や財産を整理したり、ご自分のこれまでを振り返っての想いや、周りの方に対する感謝やこれからのプランを考えたり…

この段階まで書けた方は、もう準備の土台が出来ています。

「後にのこす」という点では同じなのですが、エンディングノートと遺言書には決定的な違いがあります。

今回は、「自分の想いや意思を、法的な形で正式にのこす」ための遺言書について。

行政書士としての視点から、注意点にも触れながら、お伝えしたいと思います。

目次

1.エンディングノートと遺言書はここが違う

比較項目エンディングノート遺言書
目 的想いや希望を伝える財産の分け方を決める
書き方自由形式法律で形式が厳密に決められている
効 力参考資料としての扱い相続において法的効力を持つ

エンディングノートで整理した内容を、「法的に通用する形」へと昇華させるのが、遺言書の役割です。

「自分には残すほどの財産なんて、あまりないから」

「遺言書なんて、資産家でなければ必要ないでしょう」

「自分はおひとり様だし、譲りたいと思う相手はいないな…」

当初は、こんな風に考えていた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、エンディングノートを書いていく中で、ご自分の持っている有形無形の財産、そして想いに気付かされる、再認識させられる、そんなことはありませんでしたか?

遺言書があれば、その財産に対する希望や伝えたい想いを、形にして実現させることができます。

エンディングノートを土台として、法的に効力を持つ遺言書を作ることで、あなたの終活はさらに充実した、これからに活きるものとなっていくはずです。

2.遺言書の基本的な知識

まずは遺言書について、最低限知っておきたいポイントをご紹介します。

行政書士としてご相談を受けていると「どうやって書けばよいか分からない」というお声をよく聞きます。

⑴自筆証書遺言

一番手軽に書ける遺言書です。

書き方としては、全文を自筆で書き、日付(〇年〇月〇日と正確に)と署名があることが求められます。

押印は絶対ではありませんが、できれば実印を押して、印鑑登録証明書を一緒につけておくと、信頼性が増します。

手軽に書けて費用もかかりませんが、書き方のミスによって無効とされる可能性もあるため、「専門家に相談してチェックしてもらう」方が安心です。

また保管方法に関しては、現在は法務局で「自筆証書遺言保管制度」があり、こちらを利用すれば紛失や改ざんのリスクを減らすことができます。

⑵公正証書遺言

公証役場で作成する遺言書です。

公証人が書式や内容を確認するので、形式的な不備なく確実性が高くなりますので、行政書士の立場として最もおすすめできる形です。

費用がかかるのと、書き直しに手間がかかるのがデメリットですが、「家族に負担をかけたくない」「意思をしっかり実現させたい」という方は、公正証書とするのが一番安心です。

どちらを選ぶにしても、遺言書には「誰に」「何を」「どのように」残したいか、ということを明確に書く必要があります。

そして、その判断材料になるのが、まさにエンディングノートで整理してきた内容です。

3.エンディングノートの遺言書への活かし方

遺言書作成をお手伝いしていると、エンディングノートを書いている方は、ほぼ例外なく「準備が整っている」状態になっています。

ノートで整理した情報を、遺言書に落とし込むためのポイントをお伝えすると…

⑴財産のリスト➡遺産分割の検討材料として

預貯金、不動産、保険、デジタル資産など、すでに書き出してある方は、どの財産を誰に、ということが考えやすくなります。

また、遺言書でありがちなのが、「書き忘れてしまった財産」(よくあるのがネット銀行やネット証券)ですが、エンディングノートで洗い出してあると、抜け漏れのない遺言書につながります。

⑵家族関係の整理➡相続人の把握に役立つ

相続では、法律上の相続人の範囲が重要になります。

エンディングノートに家族関係が書いてあると、専門家が内容を確認する際にも非常に助かりますし、戸籍の取得など相続人の確定作業が格段にはかどります。

またご自分の「誰にのこしたいか」という気持ちを確かめるうえでも、エンディングノートで整理した内容がきっと役に立ちます。

⑶想いやメッセージ➡付言事項として遺言書に添える

法的効力はありませんが、遺言書には「付言事項(ふげんじこう)」といって、遺言者のメッセージを書くことができます。

「なぜこの分け方にしたのか」「家族への感謝」「自分の希望」など、ノートにしたためた内容はこちらに書き添えます。

どうしても堅くなりがちな遺言書ですが、この付言事項があることで、遺言書を読むご家族の負担が軽減されたり、納得感につながりやすくなったりします。

4.遺言書を書いておく理由

相続の現場でお手伝いをしていると、「遺言書があれば良かったのに」と思う場面が本当に多いのです。

決して大げさなことではありません。

残されたご家族や周りの方の負担を大きく減らせる。

➡遺言書があるだけで、相続手続きは驚くほどスムーズになります。

自分の想いを正確に形にできる

➡ノートで見えてきた想いを確実に実現したい場合は遺言書が有効です。

特に遺言書を書いておきたい方

➡おひとり様や、お子様のいないご夫婦では、「自分の意思で誰に託すか」を決めておく遺言書が、大切な選択肢になる場面が多いように感じます。

行政書士としてお伝えしたいのは、どんな立場の方でも「遺言書を書いておいて損はない」ということです。

遺言書は、ご自分の想いや希望を実現するために、ということがひとつ。

そして、周りの方への思いやりとして、「分け方を決めておいてあげる」ということがもうひとつの大きな役割だと思います。

5.遺言書へのステップアップ

エンディングノートを書き進めてきたことで、自分の人生を見つめ直す時間が持てた方も多いのではないでしょうか。

その先のステップとして、遺言書という「法的な文書」で想いを形に残す作業に進むと、終活はより安心感のある状態になります。

このシリーズは今回が最終回の予定でしたが、次回は番外編として、エンディングノートのメンテナンスと保管についてをお話しします。

遺言書もそうですが、エンディングノートは一度書いたら終わり、ではありません。

書いた後にどう見直すのか、どんなタイミングで、誰に見てもらうようにするのか、など実務的なポイントを中心にお届けする予定です。

松戸市にある行政書士わかぞの事務所では、エンディングノートの書き方だけではなく、遺言・相続・終活全般のご相談をお受けしております。

小さなことでも構いません。こんなことでも聞いていいのかな?ということからでも、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご相談はお気軽にどうぞ

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