あまり考えたくないことですが、たまに飲食店やテイクアウトの商品が原因で「食中毒の被害が出た」なんて話を聞くことがあります。
お金をいただいて、口に入るものを提供するわけですから、絶対にあってはならないことです。
そんな訳で、飲食店営業を始める前には保健所の営業許可を受けることが必要になっています。そして、その許可の要件の中で、最もハードルが高いのが「施設・設備に関する基準」です。
これは、食品の製造および提供が、きちんとした衛生管理のもとに行われることを求めている基準であり、営業許可を受ける際には、保健所が「現地施設調査」を行うことになっています。この調査で基準をクリアしていると認められなければ、許可を受けることはできません。
「どんな設備が必要なの?」
「どこまで改装すればいいの?」
そんな疑問に答えるため、今回は「保健所の調査で必ずチェックされる厨房設備・衛生基準」をリストアップして解説いたします。
厨房の基本構造
飲食店の厨房は、清潔さと安全性を保つことが求められます。
代表的な基準は、次の通りです。
1.床・壁・天井
清掃・消毒しやすい構造であること。
また床や壁の素材としては、水や油に強いものであること。
(例:床は畳やじゅうたん、木材等ではなく耐水性のあるタイル等、壁はビニールクロス等)
2.換気
換気扇やダクトを設置して、煙やにおいを外に出す仕組みがあること。
3.照明
調理、清掃等の作業をするのに十分な明るさを確保できる機能があること。
流し台・手洗い設備
施設調査でよく見られるポイントです。
1.流し台(シンク)は最低2つ以上は必要
調理器具を洗う槽と、食材を洗う槽を分けられるようにしておく必要があります。
本格的な調理をするお店では2つでも足りないかもしれませんが、簡単なスナック類を出す程度のお店であれば、2つで営業しているお店もあります。
2.手指専用の洗い場を設置
調理用の流しとは区別して、厨房内に手指専用の洗い場を設けなくてはなりません。
そこにはハンドソープ、ペーパータオルを常備しておきます。
手洗い後に蛇口に直接触れない構造(足踏み式やセンサー式)だと望ましいですね。
冷蔵・冷凍設備
食材の種類ごとに区分して保存できる冷蔵庫・冷凍庫が必要。
扉や庫内は清掃しやすい構造であること。
外から見える温度計が付いていること。(保健所から確認されます)
害虫・ネズミ対策
出入口や窓に網戸・防虫カーテンを設置する。
排水口には防虫用の蓋や網を設ける。
食材保管庫は密閉できる容器や棚を利用する。(扉付きの収納庫など)
その他よく見られるポイント
・トイレ…厨房から直接出入りできない構造で、かつ専用の手洗い場を設置すること
・ごみ置き場…周りへの汚染・臭いモレを防ぐ蓋付き、かつ清掃しやすい容器を設置すること
知っておくと安心なこと
調査の基準は全国一律ではなく、自治体ごとに細かいルールが違うことがあります。
例えば、シンクの数、手洗い場の大きさ、排水の仕組みなど…
内装・改装工事の前に相談に行けば、保健所はアドバイスをしてくれますので、事前に聞いて確認しておくのが一番安心です。
許可に必要な厨房設備のまとめ
外せないポイントは次の通りです!
流し台は2つ以上
手洗い場は調理用と別に設置
床や壁は耐水性があり清掃しやすい素材
冷蔵・冷凍庫には外から見える温度計が必要
害虫対策やトイレの配置にも注意
事前に相談した上でこれらを押さえておけば、保健所の調査もスムーズに通過できるでしょう。
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