飲食店を開業するには、保健所から営業許可を受ける必要があります。そしてその許可を出す前には、保健所の職員の方が必ず現地で調査を行います。
その時にもしも「施設や設備や基準に合っていない」との指摘を受けたら…?そしてそれが内装工事も全て終わった後だったとしたら…?何が大変かは容易に想像がつきますね…。
許可が出ない→オープンが延期になる
工事のやり直しで追加費用が発生する
最悪の場合、こんなケースもあり得るのです。「開業資金ギリギリなのに、もう一度工事なんて…」と途方に暮れてしまうかもしれません。
せっかくお店をオープンさせようと頑張っている方には、そんなことにならず、一気に許可取得から開業へ向けてスムーズに到達していただきたい!そこで今回は、保健所から指摘を受けやすい、絶対押さえておくべきポイントを、場所ごとに詳しく解説します。合わせて、発生するかもしれない追加費用に関しても目安を記載しました。参考になさってみてください。
シンクまわり
①手洗い場の数が不足している:調理用・器具洗浄用シンクとは別に、手洗い専用で設置が必須となっています!
→追加で設置。配管工事+シンク購入で10~30万円
②手洗い場が厨房から遠い:調理スペース内に手洗い場も設置するのが原則です!
→設置し直しか、もしくは追加で設置10~30万円
③シンクのサイズ不足:大きな鍋やフライパンが入らないサイズは×(自治体により基準が異なります)
→やはり大型シンクの買い直しで5~15万円
給水・給湯
①給湯器が設置されていない:温水が出ないと手洗いや洗浄基準に不適合とされます!
→新規取り付けで15~30万円
②床の排水のための勾配が不良:排水口に向けて適正な勾配を付けておかないと、水が溜まってしまい不衛生と指摘されます!
→床はつり工事(既にある床材を削ったり壊したりして勾配を作り直す作業)発生で数十万円規模(広さによる)
※カフェやベーカリーなど床が乾いた状態を保つ形態のお店では、排水口なし・床勾配なしでOKというケースもありますが、ラーメン店や居酒屋のように油や水を多く使う厨房では、水洗いできる床が前提になるので要注意です。
換気・照明
①換気扇が小型過ぎて煙や蒸気がこもる:適切に油煙や蒸気を排出し、換気ができる設備が必要です!
→業務用換気扇に交換で10~25万円
②厨房の照明が暗すぎる:調理や清掃状態の確認ができる明るさが必要です!
→照明器具の買い替え、もしくはLEDの増設などで数万円
トイレまわり
①トイレのドアが厨房に直結している:厨房とトイレの間は明確に区切られていなければいけません!
→間仕切りや前室を設ける工事で10~50万円
②トイレ内に手洗い場がない:厨房のシンクを兼用で使うのは不衛生とされNGです!
→シンクの設置、配管工事で10~20万円
内装・仕上
①床や壁が木材むき出し:容易に水拭き・清掃・消毒ができる構造・素材であることが求められます!
→埃のたまりやすい凸凹構造を平らにならす、素材を防水・耐熱・不浸透性のものに変更するなど内装工事で数十万円(広さ次第)
②床や天井に隙間がある:害虫が侵入するおそれがある、ということでNGです!
→すぐに対策ができず内装工事が必要になれば数十万円(広さによる)
設備・備品
①冷蔵庫が家庭用で小さい:店で扱う食材の保管に適した容量があり、適切に温度管理ができないと認められません!
②調理台や棚の下が掃除できない構造:頻繁な清掃が困難だと衛生管理が不十分として指摘されます!
→上記どちらも、設備の買い直し+工事も必要となれば10~40万円
開業準備中の方へ
これまで挙げてきたポイントは、どれも工事完成後に指摘されると手遅れです!余計な工事費の発生を防ぎ、スムーズに許可を受けるためには事前の段取りが肝心となります。
物件の契約前、また内装工事の図面の段階で、前もって保健所に相談しておくことが最大の節約のカギ!
営業許可のチェックポイントを、工務店とも共有すると工事にモレがなく安心
開業前の忙しい時期に、何度も保健所とやり取りをしたり、基準を確認し直したりするのは、大変骨の折れることだと思います。そんな時は、ぜひ行政書士を頼ってみてください!
弊事務所では、スムーズに飲食店営業許可が取得できるよう、新規開業者の皆さまを全力サポートいたします!
お問い合わせ、ご相談はどうぞお気軽に!
行政書士わかぞの事務所
