「前の店が飲食店だったから、そのまま営業できるはず!」
……そう思って居抜き物件を契約したものの、保健所の検査で不備を指摘され、開業が遅れてしまうケースは少なくありません。
今回は、行政書士が飲食店営業許可の申請でよくある失敗を3つの視点から解説します。
千葉県などで居抜き物件を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
前の店が飲食店でも「そのまま営業」はできない
居抜き物件は、前のテナントが飲食店だったため、「設備も揃っているし、すぐ営業できそう」と考える方が多いです。
しかし実際には、営業者が変わるたびに新しい営業許可が必要になります。
さらに、以前の設備が現行の保健所基準を満たしていない場合は、改修を求められることもあります。
例えば、以下のような指摘が多いです。
・シンクの数や大きさが不足している
・手洗い場の位置が不適切
・食器棚に扉が付いていない
・排水溝の勾配が足りない
「前の店が大丈夫だったから」と思い込まず、契約前に保健所へ相談しておくことが重要です。
図面と現況が違うと、申請が通らないことも
営業許可の申請では、正確な平面図(配置図)の提出が求められます。
手書きの図面や、設計図の複写でも可(松戸保健所の例)とされていますが、店内設備の配置は正確に記載されていなければなりません。
ところが、居抜き物件では前オーナーが改装していたり、厨房や間仕切りの位置を変更していたりして、図面と現況が一致しないことが少なくありません。
古い図面をそのまま提出すると、「図面と現場が違いますね」と保健所から修正を指示され、再提出になることもありえます。
申請をスムーズに進めるためには、
・現地を実際に確認する
・設備位置を図面に正確に反映する
・行政書士や設備業者と一緒にチェックする
といった事前確認が欠かせません。
貸主の承諾・設備制限にも注意
居抜き物件は工事が少なく済むと思われがちですが、貸主の承諾内容や建物の条件によっては、必要な改修ができない場合もあります。
以下のような例が挙げられます。
・ガス容量が足りず、厨房機器を増設できない
・電気容量の制限があり、エアコンや冷蔵庫が増やせない
・ダクトや排水経路の変更に大家の承諾が必要
・過去に臭気・排水で近隣トラブルがあった物件
こうした制限を見落とすと、営業許可を取れない可能性もあります。
契約前に、「営業許可を取るための改修が可能か」を必ず確認しておきましょう。
まとめ
居抜き物件は、初期費用を抑え、開業までの期間を短縮できる魅力的な選択肢です。
しかし、保健所基準・設備の現況・貸主の制約の3点を軽視すると、思わぬ追加費用や開業遅延のリスクに繋がります。
開業前にはぜひ次の3つを意識しておきましょう!
1.保健所への事前相談→契約前と工事着工前がベストです
2.現地と図面の照合→不動産業者からの図面をうのみにせず現況を確認しましょう
3.専門家(行政書士、設備業者など)への確認
行政書士からのひとこと
千葉県内での飲食店営業許可申請では、それぞれ管轄の保健所が決まっています。
各保健所ごとに微妙に指導内容や申請方法が異なる場合がありますので、少しでも迷ったら早めに相談しておくと安心です。
千葉県北西部の保健所管轄
| 対象地域 | 管轄保健所 |
|---|---|
| 松戸市・流山市・我孫子市 | 松戸保健所(松戸健康福祉センター) |
| 柏市 | 柏市保健所 |
| 野田市 | 野田保健所(野田健康福祉センター) |
| 市川市・浦安市 | 市川保健所(市川健康福祉センター) |
| 習志野市・鎌ヶ谷市・八千代市 | 習志野保健所(習志野健康福祉センター) |
| 船橋市 | 船橋市保健所 |
弊事務所では、開業準備でお忙しい皆さまに代わり、スムーズな飲食店営業許可申請をサポートしております。
もしも「なかなか時間が取れない」とか「手続きや書類がよく分からない」と言ったお悩みがありましたら、ぜひ行政書士を活用してください。
行政と市民の懸け橋となって、皆さまの活躍を後押しするのが行政書士の役目です。
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