パンデミックの時期を過ぎ、街にずいぶん人が戻ったような気がします。
美味しいものを食べたい。美味しいお酒を飲みたい。そして誰かと食事のひと時を共有したい。そんな気持ちが消えるわけはなく、どこかに素敵なお店がオープンしていれば足を運んでみたいし、気に入れば人に紹介したいし…
街や生活にいろどりを与えてくれる飲食店ですが、今回は「自分でお店を開く!」という方に向けて、新規開業までどんなステップが必要になるのか、シリーズで解説してみたいと思います。
まず初回は、飲食店を始めるときに、必ず通る「営業許可」の手続きについてです。
これを取らないまま営業すると、営業停止や罰則の対象になることもあるので、要注意です!
これから開業を考えている方に向けて、飲食店営業許可の基本と流れを分かりやすくまとめてみました。
さらに「ここを押さえればスムーズに進む!」という実際的なポイントもご紹介いたします。
飲食店営業許可って何?
飲食店営業許可は「食品衛生法に基づいて保健所が交付する許可」です。
「飲食物を調理して提供する業種」なら基本的に必要で、カフェ・レストラン・居酒屋はもちろん、キッチンカーや仕出し弁当やなども対象になります。
許可を取らずに営業すると、営業停止命令であったり、罰金(最大200万円)などの処分を受けることもあるので、飲食店を開くなら、必ず最初に押さえておくべき手続きです。
営業許可取得までの流れ
難しそう…と思われがちですが、飲食店営業許可の流れ自体は意外とシンプルです。
お店を開きたい場所に良さそうな物件が見つかったら、改装工事をする前に保健所に出向いて「ここでお店を始めたいのですが」と相談するのが第一歩です。
保健所のサイトでも「まず事前に相談してください!」と強調されています。
それほど大事なステップなんですね。
図面(手書きでも可)や物件の写真、簡単な計画を見てもらって、営業許可の基準を満たせるかどうか確認します。
飲食店営業許可を取るには、店舗ごとに食品衛生責任者を置かなくてはなりません。「衛生管理の責任者」としてお店を運営して行くのに欠かせません。お店のオーナーがなるのが一般的です。
そして店内で水道水以外の井戸水を使用する場合は、水質検査を受ける必要があります。
申請時には直近1年以内の検査成績書を添付しますので、忘れずに受けておきましょう。
代表的なものは以下の通りです。
・営業許可申請書
・店舗の構造や設備の分かる図面(手書きも可)
・水質検査の成績書(水道水以外を使用する場合)
・申請手数料(千葉県の場合16,000円ですが自治体や業態により異なります)
厨房設備や衛生管理体制が、基準を満たしているかの確認を行います。
流し台の数や手洗い場、換気扇、床や壁の素材など、細かい基準があります。
飲食店営業許可において、一番のハードルと言えるのが、この施設基準です。
申請内容に不備がなければ、営業許可証が交付されます。
これは店内に掲示しておく必要があります。
知っておくと得するポイント
営業許可申請の基本を押さえるだけでなく、開業をスムーズに進めるためにぜひ知っておきたいポイントが2つあります。
保健所への相談はお店の改装工事着工前に!
お店の契約も済んで、内装工事も終わった!ああ、やれやれ…と思っていたら「流し台が足りない」「水道の蛇口の形状が不備」そんなこんなで許可が下りない、といったトラブルが実はよくあるのです。
保健所の基準は地域ごとに少し違いがあり、実際に相談してみないと分からないことも多いです。着工前に図面をもって保健所に相談に行くことで、改装費用の無駄を防ぐことができます。
食品衛生責任者の資格は前もって
飲食店営業許可に必須の食品衛生責任者ですが、一日程度の講習を受けることで取得することができます。
もともと資格を持っている、という人以外は前もって食品衛生責任者養成講習会を受けておきましょう。
この講習会は毎月2~5回不定期に県内各地で開かれています。ご自分の住んでいる地域で近い日程がないと、遠方に行かなくてはならなくなったり、予約がいっぱいだったりで都合よく受けられなくなりますので、早めに日程を確認して予約をしましょう。
許可申請の流れ:まとめ
飲食店を始めるなら、まずは営業許可を取ることがスタートラインです。
営業許可は食品衛生法に基づき、保健所が交付するもの。
大まかな流れは「事前相談→申請書類提出→現地調査→許可証交付」です。
特に大事なのは「内装工事前の事前相談」と「食品衛生責任者の資格」です。
この二つを意識して、段取りよく進めていけばスムーズな開業にぐっと近づきます。
弊事務所では、新たに飲食店を開業される方の新規許可申請、また開業中の方の更新、各種変更申請を承っております。
何かと忙しい開業前、段取りよくスムーズに許可を取るために、また日々の業務で取り紛れてつい忘れがちになってしまう手続きに、ぜひ行政書士を活用してください。
行政書士が、開業スタートダッシュをサポートします!
お問い合わせ、ご相談はお気軽にどうぞ♪
行政書士わかぞの事務所
